「性別にとらわれないオシャレを発信したい!」宮崎から“自分らしさ”を届ける若者のやりたいこと

目次

はじめに

  • 名前: 清水 康平(しみず こうへい)
  • 活動名: わがまましみず
  • お仕事: アパレルショップ店員(WEGO)

 初めて彼のファッションを見て、驚かれる方も少なくないのではないだろうか。「すごい!オシャレ!」と思われた方や、「えっ、なんで…??」と思われた方など、反応は様々だろう。

 今回は、そんな自分らしいファッションを発信し続けている清水康平さん(通称「わがまましみず」さん)を取材し、彼の生き方や、これからやりたいことについてお話を伺った。

——『なんで男の子って、女の子の服着れないんだろう』って。すごく疑問だったんです。

 僕はレディースの服を着ることもあれば、メンズの服を着ることもあるんですが、そういったオシャレを「ジェンダーレスファッション」という形で発信しています。

ジェンダーレスのファッションの特徴は、「どちらでもない、中性的ファッション」であるところ。女性になりたい、男性としてみられたいといったようなニュアンスではなく、男性用・女性用問わず好きなものを好きなように着こなすというのが、ジェンダーレスのファッションです。

https://jibun-rashiku.jp/column/column-1495

 ジェンダーレスって人によって、かたちは様々だと思うんです。 例えば心と体の性が違う人もいれば、そうじゃない人もいる。僕の場合は、心も体も男性、恋愛対象も女の子なんですよね。

 ただ単純に、小さいころから可愛いものが好きで。でも普通に男の子っぽいかっこいい服とか、かっこいいものも好きで、幼い頃はレンジャー戦隊系を見て育ち、ポケモン大好きで…という、よくいる男の子でしたね。今でも格闘漫画とか大好きですし(笑)。

 じゃあ別に、心と体の性も一致してるし、「女の格好する必要ないんじゃない?」とか、「男なら男の格好しろよ!」みたいに思われるかもしれないんですが… だったら、女性なら女性の格好をしなきゃいけないんですかね? 

 だって、女の子が男の子っぽい服を着る、「メンズライクファッション」とかはあるじゃないですか。でも、その逆の「レディースライクファッション」って、ないじゃないですか?

 なんでないの?って、僕にとってはすごく疑問だったんですよ。

 女の子は、女の子の服も男の子の服も着られて、可愛い!かっこいい!って楽しめるのに、なんで男の子は女の子の服を着られないんだろう?って。なんでオシャレじゃなくて、“女装”っていう、ネタのジャンルというか、そういう扱いになっちゃってるんだろう。ずっとそう思っていました。

 女の子だってかっこいい服も可愛い服も着たいんだったら、男子でもかっこいい服着て可愛い服着たいって願望があっても、おかしくないと思うんですよ。

 それなら、メンズライクファッションみたいに、自分がオシャレとして成り立たせればいいんじゃない?と思って、こういう活動を始めたんです。

——応援してくれる人は多いです。でも…

 やっぱり僕を見て驚かれる方は多いですね。お店では基本メンズのフロアにいるんですけど、女の子のコーデも組めるから、レディースの服を着てレディースのフロアにも入るんですよ。そこで「いらっしゃいませ」って声出しをすると、 100パーセントお客さんに二度見されます(笑)。

 話しかけてこられる方もよくいます。ありがたいことに、可愛いとか、おしゃれですねって言ってくれる人もいて…とても嬉しいですね。

 ただ、こういったファッションに対して否定的というか、身構えられる方もいます。僕にいきなり、「なんで女装してんの?」「男がそんな服を着て…。」ってストレートに言ってこられる方もいるんですよ。

 そう言われたら僕は、「好きな服着ればいいじゃないですか、だって似合ってるでしょ?^^」って返しますね。そういう、ちょっとネガティブなことを言われた時に、いかに自分の気持ちを下げず、かつ相手に嫌な思いをさせずに、でもすごく気持ちの伝わる言葉を言えるかっていうのは、この活動をしていく上ですごく大切かなって思っています。

 ただもっと多くの人に知ってほしいのは、「男らしく」「女らしく」っていうのは、場合によってはすごく失礼で、相手を傷つける言葉だったりすることもあるんだよっていうこと。

 宮崎はそういうところに関してまだ大きな課題があるな、足りてないなって、僕はすごく思いますね。受け入れようとしている人も増えてきているけど、まだ一部には理解がない人もいるし、受け入れようとしない風潮が強い。

 今は、SNSなどで自分を発信して、自分の言いたいことが言える社会になりましたよね。こういう時代だからこそ、自己愛っていうか、“自分は自分なんだ”、っていう感じの子が増えていいと思うんですよ。もちろん相手の事も尊重するし、自分の事も大切にして欲しいから。

 でもやっぱり今の社会だと、僕みたいなスタイルってすごくやりづらいから、少しでも周りの人がしやすくなればいいなって思って。それで一番メンタルの強い僕が、こういった活動を先陣切ってやってるわけです。

——いくつになっても、子どもでいたい

 これからやりたいことがまだ明確に決まっているわけではないんですが、アパレルとは違う形に変わったとしても、やっぱり、ジェンダーレスへの貢献っていうのは続けていきたいし、それを主体にして活動したいと思っています。

 これからも自分の個性を生かしてどんどんオシャレを発信していきたいし、もっと自分のことを知ってほしいから、どんどんメディアとかにも出ていきたい!

 僕の信念の“わがまましみず”は、自分の意思にわがままでいたいし、いくつになっても子どもでいたいなって。自分の純粋な意思を尊重したいんです。

 子どもみたいに何にでも好奇心をもつことと、向上心を持つこともすごく大切にしています。「えっ、本当に男性なの?!可愛い~!」って言われるだけじゃ、僕は満足しないんですよ。女の子にも勝ちたい!って。そのための日々の努力は惜しみません。

——もっと世の中の人に、自由にオシャレを楽しんでほしいから。

 僕にとってのジェンダーレスって、“自分自身“なんですよね。だって「ジェンダーレス男子になりたい!」って思ってなったわけではなくて、自分の着たい服を着てたら、周りからジェンダーレスって言われただけなので。

 僕はいろんな人に、もっと自由にオシャレを楽しんでほしいと思ってます。こういう考えもあるんだよって、服装の自由や表現の自由っていうのは、ポジティブで明るいことなんだよって、そういうことを伝えていきたいんです。

 僕は女の子の服を着ることを恥ずかしいとは一切思ってないし、誰がどんな服を着てもいいと思ってます。ちょっとでも、まだ理解されていない、知られていないようなファッションが好きな子たちの励みになればなって。

——あなたも僕も、同じ人間なんだよ

 最初に僕みたいな人を見たら、もちろんびっくりするとは思うんですけど、おんなじ人間なんだよっていうことは伝えたいかなあ。

 ただ、ファッションに対しての表現の仕方が、あなたと違うだけであって、“わがまましみず”もあなたも、同じ人間なんだよって。

 「受け入れろ!」とは言わないけど、そういう人たちのことを否定はしないでほしいな。「そうなんだぁ」って思ってくれればそれでいいんです。

 あくまでもこれは僕の主観であって、ジェンダーレスの考えを持っている人たちを代表して言えることではないと思います。

 やっぱりすごくデリケートな話題ではあるから、それぞれ考え方は違うだろうし、認めてほしいっていう人もいれば、そっとしといてほしい、あんまり関わらないでっていう人もいるかもしれない。

 その点では僕は割とオープンにしているし、「ファッションを楽しみたい」っていうポジティブな理由だから、どんな聞き方をされてもしっかり答えられます。

 もし何かそういったジェンダーのことで、悩みごととか、疑問や聞きたいことなどがあれば、わがまましみずに聞いてほしいかな^^。



プロフィール

わがまましみず(清水康平)

 2001年生まれ、出身は宮崎県の日南市。高校を卒業後、農業系の専門学校に進むも、ファッションに関わる仕事がしたいとアパレルの道を選ぶ。現在はショップ店員として働きながら、モデルとしても活動中。SNS上でジェンダーにとらわれない自分らしいオシャレを発信し、幅広い年代から注目を集めている。

Instagram ⇒https://instagram.com/waga_mama_simizu?igshid=1mopppd0gre3l


(取材・記事制作/大野詩織)

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大野 詩織
投稿者: 大野 詩織
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 宮崎大学 教育学部4年生。生まれも育ちも宮崎県。 広い視野と価値観を持った小学校の教員になりたい。 ボランティア活動と、趣味の手芸が生き甲斐。         モットーは、”実際に会って話しているような感覚になる記事”を書くこと。   ◆ご連絡はこちらから^^          ↳↳https://twitter.com/shiorinngo1231?s=21

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