「いただきます」の意味を考える。大学で畜産を学んだ彼女のやりたいこと

松坂睦実

所属: 宮崎大学 農学部 畜産環境科学科卒

お肉が食べられなくなった

大学で畜産を学ぶ

昔から動物が好きだったことから、宮崎大学の畜産環境科学科に入学しました。

畜産についての興味は「私たちが日常的に食べているお肉になる動物がいる」ことを改めて知ることか始まりだったんです。

そんな畜産への興味関心の高まりから、より実践的に畜産について学びたいと思い、「Be-Corns!」というサークルに入りました。

「Be-Corns!」とは

学生自らが豚を飼育、加工し、販売することを通して、畜産を身近に感じてもらったり、その活動を知ってもらうことで宮崎の農業活性化や地域貢献を目指している学生グループです。

初めて屠殺を見て

「Be-Corns!」の活動を通して豚の飼育から出荷までを経験し、畜産の楽しさや重要性を学ぶことができました。その一方で、「命をいただく」という現実に直面したんです。

それは初めて屠殺を見たことがきっかけでした。その様子は、ただただ1つの命が生き絶える瞬間でしかありませんでした。

「人は食べるために家畜の命を育んでいて、私たちが普段食べている肉製品はこのような命の犠牲によって作られている。」

事実としては知っていたことでも、現実として目の当たりにすると、あまりにも衝撃的過ぎて、松坂さんは受け止めきれず、そこからお肉が食べれなくなってしまいました。

スーパーでお肉を見ると生きてる姿を思い出してしまう。その時はまだ「命をいただく」ということに向き合えない自分がいました。

「いただきます」を考える

アニマルウェルフェアについて

それから私は「命をいただく」ということについてより真剣に考えるようになっていきました。そして、アニマルウェルフェアという考え方が世界中で広がっていることを知ります。

アニマルウェルフェア(Animal Welfare)とは

感受性を持つ生き物としての家畜に心を寄り添わせ、誕生から死を迎えるまでの間、ストレスをできる限り少なく、行動要求が満たされた、健康的な生活ができる飼育方法をめざす畜産のあり方です。欧州発の考え方で、日本では「動物福祉」や「家畜福祉」と訳されてきました。

http://animalwelfare.jp

屠殺を見た日から感じていた畜産に対するもやもやを晴らすためにも、私はこの問題を考えずにはいられませんでした。

しかし、考えても考えても畜産に対する自分の立場をはっきりさせることができません。そんなある日、畜産に従事されている方にお話しを聞く機会がありました。

より多様な選択肢を持つこと

その方の意見は「実際その考え方を農場に取り入れるのは難しい。家畜は人間に食べられてるために育てられ、動物にとっては最終的にお肉になることには変わりがない。」というものでした。

それに加えて、畜産農家の方とお話しする機会も増え、畜産農家さんたちは動物が嫌いなのではなく、むしろ命と真正面に向き合いながら日々生産されていることを知りました。

畜産に関わる方々の立場や意見を知り、「この問題に答えはなくて、0〜100の話ではなく、その間にある選択肢を増やしていく必要があるんだ。」と考えるようになったんです。

お肉を食べてる人が悪い人ではなくて、どっちが悪いという問題ではなくて、選択肢として認し、この問題について考えることが大事だと。

いただきますをみんなで考えてほしい

それから私は食育のイベントをやることにしました。いただきますの意味を小学生が保護者の方と一緒に考えるというイベントです。

どうして子どもだけではなく親御さんも一緒に参加してもらったのかというと、親御さんと子どもが選択肢を知った上で、お肉を買うことを決めてもらう必要性を感じたからです。

みんなが「いただきます」というのは、豚が食卓に並ぶまでに関わるいろんな人たちに対して言っている。その意味を知ってもらいたかったんです。

やりたいこと

もっと沢山の人に「いただきます」を考えてほしい!

実は雑貨屋とカフェを開くことが夢でした。動物園で、動物の抜けた羽とかで雑貨を作ってる子がいて、雑貨の可能性を知り、現在は宮崎県内の雑貨屋さんで働いています。

その会社でも動物のチャリティーをやっていきたいと考えていてあえて別の分野から広げていくことで、より他分野にアニマルウェルフェアの問題が広がっていくと考えたんです。

そして、カフェはお肉を提供できる場所として開きたいと考えています。そこでお肉を提供しながら、自分が畜産を学んで、ご飯を食べる時にいただきますを考えてくれることを広げたい。

自己満だとは思うけど、知ったからには何かしたいという気持ちがあるので、社会人として働きながらこの問題に取り組んでいきたいですね。

今求めていること

協力者と場所

去年のイベントでは、活動に興味を持ってくれる人をなかなか見つけることが出来ず、きょうりょくしてくれる人がなかなか集まりませんでした。

私自身1人でなんでもできるようなタイプではありません。アイデアはたくさん持っていますが、実際、表に立つことは苦手です。

だからいろんな人の助けが必要だと感じています。どんな形でもいいので、興味持って一緒に活動してくれる方を探しています。

また、これから活動していく中で必要となってくるのは”場所”です。イベントスペースなどを借りることはもちろん出来ますが、やりたいと思った時にすぐ使えるような場所を探しています。

そんな人と場所を通して、この問題についてもっと沢山の方に知ってもらい、お肉を食べる人も食べない人もより多くの選択肢を理解していく必要性についてみんなで話し合っていきたいですね。

最後に

取材を通して、私たちが普段食べているお肉はどのように作られているのか、そして「いただきます」という習慣について改めて考えさせられました。

アニマルウェルフェアやビーガンなどの考え方が広がる中、これからは多様な選択肢を普及させ、それぞれの選択を認め合う社会にしていきたいですね。

皆さんもこれから食卓に並ぶ食材に目を通してみてください。そして「いただきます」と一言。毎回の食事がより美味しく感じるかもしれません。

”やりたいことを発信する居場所” webメディアHiDANE(ひだね)では、全国の学生、社会人の”やりたいこと”を発信しています。

取材を申し込まれたい方は、ぜひお問い合わせください!

全国にHiDANEを広げてくれるライターも募集中です!

また、オフラインでの交流の場として、学生が運営する”HiDANE BARも元気に営業中です!

 ぜひ足をお運びください^^

この記事をシェアする
アバター
投稿者: 久保 嘉春
投稿一覧

HiDANE 代表

宮崎大学 農学部 3年 京都府に生まれ育ち、大学から宮崎に。 野球、陸上、水泳などのスポーツを経験し、最終的に茶道部に行き着きました。 お茶が好きすぎて最近ちょっとずつ緑になってる気がします。 2020東京オリンピックプロジェクトの学生アンバサダーを務めたり、考えたハンバーガーが商品化されたり、お茶の営業をしたり、TASUKAKEのライターをやったり、なんかやりたいこと多すぎていろいろやってます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。