日向市オーガニックシティ化計画で健康なまちに

目次

はじめに

ファーマーズマーケットの様子

名前:高木資子

出身:宮崎県日向市

所属:株式会社マルイチ

株式会社マルイチについて知りたい方はこちら


健康なまちづくりを目指したきっかけ

--まず初めに、やりたいことを教えてください。

日向市をオーガニックシティにしたいです。


--なぜオーガニックシティにしたいと思ったんですか?

地域の人たちに、ずっと元気な状態でいてもらいたいという気持ちが一番ですね。

今の日本って、昔と比べて生活習慣病のような病気になる人がすごく多いと思うんです。

寿命が伸びて人生100年時代なんて言われていますが、10年間寝たきりとかではなくずっと元気で健康にいてほしいなと思うので、毎日食べるものに気を遣うだけでもその可能性は大きくなるのではないかと考えているんです。


--農業に興味を持ったきっかけは?

父がスーパーマーケットの社長業を引退した後、山奥に畑を借りて無農薬農業(日向百生会)を始めたんです。

もちろんマルイチでも市場を通ってきた野菜を販売しているのですが、オーガニック野菜は安心して食べられるし、やっぱりおいしさが違うんだと気づかされました。

いいことづくめのオーガニック野菜を広めていけたらいいなと思っています。


--高木さんは昔から野菜が好きだったんですか?

野菜が特別好き!というわけではありませんが、日向百生会の野菜の美味しさを知ってからはモリモリ食べるようになりました。

日向百生会について知りたい方はこちら


オーガニック野菜を広めるために

日向百生会

--オーガニックとそうではない野菜では味も違うんですか?

私は全然違うと思います。日向百生会の野菜は、子供たちが喜んで食べるんですよね。

野菜嫌いの子は、美味しい野菜を食べたことがないだけなのかなと思っていて。

本当においしい野菜で料理すれば、間違いなく食べてくれると思います。

オーガニック野菜が子供たちの元に届くように、お母さんお父さんの意識も変えていきたいですね。


--今後オーガニック野菜をもっと消費者のもとへ届けるために、取り組んでいきたいことはありますか。

耕作放棄地や誰も手をつけないような畑を借りて、日向百生会が野菜を植えられる畑を増やしていくことをまず優先したいです。

今、日向百生会は東京ドーム4個分くらいの畑をもっているのですが、もっと広げて収量を増やさないとスーパーマーケットの売り場に常時並べるという状況を作れないんですよね。

オーガニック野菜を青果売り場の小さいコーナーで売っているんですが、売上は青果部門の1%もいっていないのが現状です。

マルイチはふつうのスーパーマーケットなので、オーガニック野菜を高い値段で販売しようとは全く思っていません。

ただ、お客様にもっと認知していただくことは必要だと感じているので、今、ファーマーズマーケットも月に一回開催しています。プロモーションにも今後は力を入れていきたいですね。

今後は新しい取り組みとして、YouTubeを使った発信にも取り組んでいきたいと思っています。


--今の日向市では、日向百生会が主力となってオーガニック野菜を作っているんですか?

そうですね。

でも今はメンバーが5人くらいしかいないので、全然手は回っていないです。

--日向市をオーガニックシティにしていくために、他に必要なものは何かありますか?

もちろん耕作放棄地を利用する必要があるのですが、そもそも農業をやる人が増えないと不可能だと思います。

若い人が農業に携わるようにもしていかなきゃいけないし、農家さんとマルイチが繋がることによって、農家さんも安定した収入が得られるという仕組み作りにも取り組んでいきたいですね。


--先ほど、「YouTubeを使った発信にも取り組んでいきたい」とおっしゃっていましたが、具体的にはどのようなことを発信しようと考えていますか?

生産現場、畑の様子を随時配信したいです。今こんな野菜が育っていますということだったり。

あとは、日向百生会の野菜を使った料理の紹介もしたいですね。


--今後、オーガニックシティを実現していくに伴って、さらにオーガニック野菜をどういった形で広めていきたいか、具体的なイメージはありますか?

市内の飲食店に使っていただけるようになったら嬉しいですね。

私はビールが大好きで、「ビールがあれば生きていける!」という人間なのですが、「オーガニックシティを作るために自分が好きなことで何かできないかな」と思って、昨年からオーガニックビールを作り始めました。

このクラフトビールの原料の大麦は日向百生会の畑で栽培したものを使っているので、特に地元の人たちに飲んでいただけるようにしていきたいです。

今後も個人的にビール事業をやっていくので、オーガニック野菜の加工品の展開も同時にやっていけたらと思っています。

お惣菜商品やおつまみのような加工品が開発できたらいいな、と。

街中にビール工場を作る予定なので、日向百生会の野菜を使った料理をそこで提供できるようにしようと思っています。

やれることはたくさんありますね。

高木さんが作っている「ひなたビール」


現在の日本の食生活に感じる課題

--日向百生会で生産・収穫された野菜は今、全部マルイチで販売しているんですか?

ほとんどマルイチで取り扱っています。一部定期便もやっていて、県外にも出していますが1ヶ月に十数件なのでまだまだというところです。


--オーガニックシティの実現に向けて感じる課題はありますか?

一番は、オーガニック野菜に対しての関心度ですね。もっと上がるといいな、と思っています。

どうしても値段の安い野菜を選んでしまう方が多いんですよね。それから国産だったら安心と信用している方も多いのが現状です。

地域に住む方々の食べ物に対する意識が向上していけばいいなと思います。


--「農薬の怖さ」には例えばどんなものがありますか?

今、2人に1人ががんになる時代ですよね。以前よりも大幅に増えていると思います。

戦前は今で言うオーガニック野菜を食べていた。でも第二次世界大戦後、化学肥料や農薬・除草剤を使って効率的に野菜を作るようになってしまったんです。

もちろん当時は生きるために食べることが最優先でしたからやむを得ないと思いますし、経済成長に伴って人口が増える中での策だったと認識しています。

ただ、それが何十年にもわたって当たり前になってしまっているから、化学的なモノが体に影響を及ぼしているってあまりわかんないんですよね。

実は食べ物や食習慣による病気ってかなり多いんじゃないかなと思っています。メンタルシックにも影響があると言われていますし。

でもそれを多くの人が気づいていないし知らないんです。

日本で使っている農薬って、他の先進国では禁止されているものも多いんですよ。

世界の基準でいくと、日本は農薬大国なんです。そういうことをぜひ知っていただきたいです。

毎日口にするものだから知らないうちに蓄積されていくことが怖いですよね。食べ物のいいところと怖いところを正しくお伝えしていけたらいいな、と思いますね。


--衝撃的ですね。でもそれを知っていれば少し高くても手に取ろうと思えますね。

病気になると本当に大変じゃないですか。身近にも、若くしてがんで亡くなってしまった人もいますし。

自由に動けなくなったり、治療費がすごくかかってしまったり。普段の生活で体にいいものを取り入れて病気を防ぐことができたらすごくいいですよね。

若いうちから知識として持っておくのはすごくいいと思いますから、そういう教育もやっていきたいですね。


--最後に、これから日向に来る人や日向市民の皆さんに向けて伝えたいこと、思っていることはありますか。

日向にきてくださる方々には、海風とか自然がとっても心地いい場所なので、それらを思いっきり感じていただけたらうれしいですね。

地元の人は日向には何にもないって思ってる人がほとんどで、私も以前はそう思っていたんですけど、

実は特別なものが何にもないっていうのが日向のいいところなんですよね。

住んでいる人たちが心から日向を好きでいてくれる、他の地域の方たちに自慢したくなるくらいの場所にできたらいいな、と思います。


※この記事は、HiDANE BARのクラウドファンディングのリターンとして作成したものです。

ご支援誠にありがとうございました。

(取材・記事制作/吉永理穂)

この記事をシェアする
吉永理穂
投稿者: 吉永理穂
投稿一覧

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。